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INTERVIEW今、注目のウェルリビングの実践者
2022.10.17

熱量を持って世の中を変える
実践者を本気で応援したくて、
コンサルファーム&ラボを創設

金 均さん Hitoshi Kon
株式会社NODE代表取締役
金 均さん Hitoshi Kon
株式会社NODE代表取締役

Well Livingを実践する挑戦者たちのインタビュー。第2回は、この「Well-living Lab(ウェルリビングラボ)」の創設者でもある金 均(こんひとし)さん。外資系コンサル会社や独立系コンサル会社での勤務経験を持つコンサルティングのスペシャリストであり、自身で起業や廃業も経験している。
そんな金さんが満を持して創業した“自由な働き方でパーパス経営を支援する”コンサルティング会社、NODE(ノード)。今回はNODEを通して、金さんが実現しようとしている世界観を掘り下げていく。

Well Livingを実践する挑戦者たちのインタビュー。第2回は、この「Well-living Lab(ウェルリビングラボ)」の創設者でもある金 均(こんひとし)さん。外資系コンサル会社や独立系コンサル会社での勤務経験を持つコンサルティングのスペシャリストであり、自身で起業や廃業も経験している。
そんな金さんが満を持して創業した“自由な働き方でパーパス経営を支援する”コンサルティング会社、NODE(ノード)。今回はNODEを通して、金さんが実現しようとしている世界観を掘り下げていく。

何のために働くのか。
誰かを幸せにするために
身を粉にして働こうと思った

外資系コンサルティング会社で長年実績を積んだ金さんが、自らコンサルティング会社を立ち上げようと思ったきっかけは、結局お金のためばかりを考えている従来型コンサルに魅力を見いだせなくなってしまったからだった。コンサルタントという立場で、これまで何度も大企業の意思決定の場面に立ち会ってきた。そこでは、企業の担当者が社会に対して熱い思いを持ちつつ進めていた案件を、マネタイズだけの視点から……簡単にいうと「手っ取り早く儲からないから」という理由で否決されてしまう場面もたくさんあった。

コンサルの仕事は何百枚も書いた企画書の中から、クライアントに数十枚を提示してたった一枚採用される、そんな世界。必死に働いていた頃、その企画書に費やす時間と労力の先にあるものが「誰かのお金儲け」のためだけのものだと感じてしまった時、何かが違うと悟ったという。

「誰かを幸せにするために、全力で仕事をしたい。その活動を継続していくためにこそ、経済合理性や企業変革を語るべきであり、それはお金儲けありきでビジネスを語るのとは方法論からして変わるはずだ。」

大量のインプットにアウトプット、フル回転で働いてきた金さんだからこそ、クライアントに「儲けていただく」型はある程度見えてきていた。でも、身に着けてきたビジネスの力を発揮する先にあるものは、「誰かを幸せにするための活動」であってほしい。金さんは、日に日に強くそう感じるようになっていったという。

「企業は、人を幸せにするために存在するはずだ。仕事は、人に尽くすためにあるはずだ。人は、共生の中で生きていけるはずだ。」金さんの根源にあるキーワードは、共生・共創。経済合理性から企業変革を語るのではなく、顧客の声から企業変革を語り、実現していくような仕事はできないものか。その葛藤から生まれたのが、株式会社NODE(ノード)だった。

NODEのコーポレートサイト
社員・副業社員・インターンを含めたメンバーは徐々に増え、現在は40名を超える(写真提供:NODE)

圧倒的な熱量で、
社会を変える志を持つリーダーを
全力で応援するコンサル会社に

「圧倒的なビジネス能力がある人が、ビジネス以外のものを求めるファームを創ったら、世界が変わるんじゃないか。自分はそのために力をつけてきた。世の中を見回して、他に入りたいファームがない以上、自分で作るしかない。そう思ってNODEを創業しました。」

一般的なコンサルが経済的成長のサポートを主に経営を行っている中、NODEはクライアントが事業をやる意味・人を幸せにしたい思いを上位に置く。経済的成長は、そのための一条件にすぎない。「目的が違うので、当然、何をコンサルするのかも、一般的なコンサルとは異なってきます。」

農家の後継者不足を何とかしたい。子どもの貧困の悪循環を断ち切るための食の事業を立ち上げたい……。金さんの周りには、日本や世界の抱える課題に気づき、自身の蓄えてきたビジネススキルを駆使して立ち向かおうとしているビジネスリーダーたちが集ってくる。彼らと思いを共有しあい、それぞれが持つつながりやスキルを提供し合い、一緒に課題解決の具体策を考えていく。その過程が今、金さんが最も「ああ、生きてる!」と感じる瞬間だ。

それらはすぐにはお金を生み出さない取り組みかもしれない。だから、場合によっては企業の論理でプロジェクトがとん挫してしまう可能性も秘めている。しかし、金さんが応援したいのは、そんな困難に立ち向かうリーダーたちだ。熱い思いを持ち、苦戦しつつも前へ進んでいるビジネスリーダーに、自身が培ってきたマネタイズや課題解決のスキルを提供し、ビジネスを軌道にのせて成長させていく。

「NODEとは、“応援業”だと僕は思っています。人に良いものを提供したい、自分らしく働きたい、社会に貢献したいと思える企業への応援をしています。NODEの提供しているのは、“実践的応援”です。それは共に行動し、伴走し、勇気づけ、共に苦しみ、そして一緒にビジネスを前進させるための活動です。」

「一緒にビジネスを行う人といかに共創していけるか。そこを主語に語れる企業経営をしていきたい」と語る

たった2人で始めたNODEが
気づけば40人規模に。
思いの伝播はできているか

一方、自身の立ち上げたNODEが40人規模の会社に育ってきた中で抱える葛藤もあるという。一般的なコンサル会社とは提供する方法論に一線を画すNODEだが、そのコンサル方法には非常に高度なビジネススキルを必要とする。新入社員も増えてきた中で、金さんが経験の中で培ってきたビジネススキルと熱い思いを、全ての社員に伝播していくのはなかなか容易なことではない。

「自由に、自分らしく、働き、生き、そのような思いを共有し、励ましあえること。人数が増え、規模が大きくなっていくほど、NODEが掲げているその思いを果たしてひとりひとりが実現できているか。そこに課題は感じています。」

「人はお金のために生きているのではなく、自分や仲間や社会を良くし、そして仲間や社会からも応えてもらいたいから生きているということ。NODEの掲げるその純粋な思いに共感して集ってきてくれた社員たちの中からも、自らビジネスを創造していける人材を育てたい。口先だけでなく行動で示せる人物になれるように。また、リーダーたちを応援していけるコンサルタントとしての経験とスキルやスピード感を身に着けることができる社内の仕組み作りは、もっともっと考えていかないといけないと感じています。」

社員同士が会話をしやすいようにと設計したオフィス。手狭になったためまもなく移転予定だ

熱い思いのリーダーたちが集い
知識やスキルを交換しながら
ビジネス成長させていく場を

人の持つ思いこそが社会を変えるビジネスを生む力になると信じている金さんにとって、NODEの“応援業”をわかりやすく形にしたコミュニティづくりは創業時から温めていたものの一つだ。それが体現されたのが、この『Well-living Lab(ウェルリビングラボ)』である。

社会を良くしたい、誰かを幸せにしたいという気持ちから生まれたビジネスを、さまざまなビジネススキルを持った人たちで磨き、形にし、世の中に放ち、成長させていくための場所。企業の中で新規プロジェクトや事業に取り組むビジネスリーダーから、自ら会社を興して世の中の課題を解決しようと動き出している社会起業家まで、意思を持つ人々が集い、自身のビジネスへのヒントやパワーを得られる場所にしていきたいと金さんは考えている。

熱い“意思”を持ったビジネスリーダーたちは、時に孤独だ。それは、金さん自身がそうであったから、その痛みがよくわかる。置かれる立場は違ったとしても、そこでぶち当たる壁には共通項がある。自分たちの思い描く、誰かを幸せにするための未来。その未来は見えているものの、どうしたらそれが実現できるのか。方法を一緒に考え、壁をともにぶちこわしていく仲間がいれば、その活動は飛躍的なスピードで形になり、方向性を見失わず継続・成長していけるはずだ。金さんが作ろうとしているのは、そんな仲間を得られる場所なのだ。

Well-living Labの立ち上げには半年以上をかけて準備をしてきた

誰かを幸せにできると信じて
自らの意志で動き出す。
熱量を発するその活動を応援する

「このラボは、私が今まで考えてきたことの、ひとつの形。自分が温めてきた、世界を変えていくためのひとつの器です。動き出してわかったことは、大企業にもスタートアップにもNPOにも、インディペンデントにも同じような考え方の人がいるということ。たまたま、“パーパス経営”や“キャリアオーナーシップ”などのキーワードが昨今普及していきていますが、時代の認識が追い付いてきただけで、もともとそのような仕事をしてきた人たちは存在します。そんな人たちを時代の主役として浮かび上がらせていきたい。そして社会にさらに広がっていくといいなと思います。」

金さんが期待するのは、このラボで生まれる面白いプロジェクト、そして仲間とのつながりだ。「そこから、自分らしく思いを持って働いていいんだ、と思える若者がいっぱい出てきたらいいなと思います。経済合理性の枠組みをいったんとっぱらって。自身が真に良いと思える何かをここで出合う仲間たちと一緒に苦労しながら生み出して、応援しあっていく。良い循環の生まれる場にしていきたい。」

悩みを共有し、それぞれが培ったスキルや人脈を共有しあう。その連鎖が、世の中を変えていくビジネスを高速で生み出していく装置になる。NODEへ託した金さんの思い、そしてその思いの集大成ともいえるWell-living Labは、「意思から始まるビジネス創造のための研究所」だ。果たしてこの研究所から、これからどんなビジネスが生まれてくるのか、楽しみでならない。

Well-living Labの掲げるビジョンは、「すべての人が活きる社会を創る」

Well-living
Rule
実践者たちの
マイルール

  • 朝、神社をおまいりする
  • 仕事は断らない、どんな仕事も躊躇しない
  • お金がもらえる・もらえないは意識しない
  • すべての仕事に仮説を持つ
  • いつでも自分の考えを捨てる、偶発性を楽しむ

PROFILE

金 均さん Hitoshi Kon
株式会社NODE 代表取締役

1977年福岡県生まれ。東京大学工学部機械工学科卒業。1999年アクセンチュア株式会社に入社し、外資系コンサルティングを学ぶ。起業・廃業・インディペンデントなどを経て、2014年株式会社beBitに参画し、業務責任者特任補佐に就任。2019年組織にこだわらず自由な働き方でパーパス経営を支援するコンサルティング会社「株式会社NODE」を創業。2022年に熱量を発して活動するビジネスリーダーのためのコミュニティ「Well-living Lab」を立ち上げる。

取材・文/木崎ミドリ 撮影/雨森希紀 編集/丸山央里絵

KEYWORD
  • #パーパス経営
  • #越境人材
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